marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

2018-07-15から1日間の記事一覧

『大いなる眠り』註解 第二十八章(1)

《どうやら女がいるらしい。電気スタンドの傍に坐り明かりを浴びている。別の灯りが私の顔にまともに当たっていたので、一度目を閉じて睫の間から女を見ようとした。プラチナ・ブロンドの髪が銀でできた果物籠のように輝いていた。緑のニットに幅の広い白い…