marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

2019-01-29から1日間の記事一覧

『さらば愛しき女よ』を読み比べるー第十章(1)

10 《「四分」声が言った。「五分か、六分かも知れない。連中は機敏に音も立てずに動いたにちがいない。あいつは叫び声さえ上げなかった」私は目を開け、凍えた星をぼんやりと見た。私は仰向けに倒れていた。気分が悪かった。 声は言った。「もう少し長かっ…