marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

種まき権兵衛の里

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新聞に紅葉が見頃という記事が出ていた。天気もよし。ここ何日かの寒さも嘘のように消えている。google mapでルート検索すると高速で一時間、下道なら一時間半の距離だ。高速を使うなら軽のコペンのほうが有利だが、下道で行くなら147でもいい。時間だけはたっぷりある。下道で行くことにした。

 

ルート検索には出ていないが、日本の道百選にも選ばれている海沿いの道を行くことにした。紀伊長島にある道の駅で昼食をとるのがいつものパターンだ。ここの真鯛のあぶり丼は絶品だったが、今となっては幻のメニューとなってしまった。最近は海鮮丼が、そのかわりになっているが、なかなか代わりはつとまらない。

 

道中の紅葉も今が盛りで気分よく紀伊長島の道の駅に到着した。先に紅葉を見てからお昼にするか、それとも早めの昼食を食べてから紅葉見物にしゃれ込むか、思案していると、妻が「種まき権兵衛の里は、たしか尾鷲の手前だったね」と言い出した。「えっ。孫太郎じゃなかったの?」と、わたし。「あなた、朝種まき権兵衛の里って言ったわよ!」。「孫太郎でルート検索したんだけど、権兵衛だった?」。「私も新聞読んでみるべきだった」と、妻。

 

たしかに、どちらも紀伊地方にあって昔風の名前であることは共通している。どっちだったか、今となっては思い出せない。記憶力の低下はここまで進行していた。まあ、とりあえずお昼を食べて考えようということで、食堂に入った。いつもの海鮮盛り合わせ880円の食券を買って、待つことしばし。番号を呼ばれてカウンターまで出向く。食べはじめて、妻が言った。「ご飯がいまいちだったのを思い出した」。そうだった。ネタは新鮮なのだが、米がよくない。あぶり丼のときは酢飯だったので、そうも感じなかったのだが、普通の白飯だとぱらぱら感が強い。ネタも以前より少ない気がする。そろそろ別の店を探すときかもしれない。

 

隣の観光案内所でパンフレットを見てみると、種まき権兵衛の里のイラストには紅葉の絵があった。孫太郎にはプールのイラスト。やはり権兵衛だったか。尾鷲までは半時間ほどの距離。看板を探しながら走ること三十分。次の道の駅をすぎたところで標識を発見。右折し、川沿いの道をしばらく行くと駐車場があった。

 

種まき権兵衛の里は入場無料。池泉式回遊庭園の遊歩道に沿って四季折々の木々が植えられていた。たしかに紅葉が見頃だったが、枝垂桜の大樹もあり、春もまたいいだろうなあ、と思った。「権兵衛が種まきゃカラスがほじくる」という俗謡に歌われた権兵衛さんの出身地だそうで、屋敷まで復元されている。今は茶室として利用されてるらしく、農家というより草庵風だ。

 

やはり、新聞を見て訪れた客相手に庭園の管理をしている人がうれしそうに説明していた。芝生も広く、あずまやもいくつもある。そのひとつでお弁当を広げている人もいて、ここでお昼という手もあったな、と思った。帰りは別ルートで42号線を経由して帰宅した。いい一日であった。