marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

第24章

ロジャー・ウェイドの後からパーティーの席にもどったマーロウは、ローリング医師がウェイドに「妻に近づくな」と警告するところを目撃する。軽く相手をいなすウェイドの頬をローリング医師は手袋で打つ。ホストとして自分を抑制できるウェイドをマーロウは…

第23章

カクテル・パーティーに招待されたマーロウは、車でアイドル・ヴァレーにあるウェイド邸に向かう。使用人のキャンディに案内された部屋にはリンダ・ローリングとその夫の姿もあった。酒を飲むと自分を見失うロジャーの頼みごとというのは、本を仕上げるまで…

第22章

第22章の舞台はおなじみのバー、<ヴィクターズ>。テリーとの約束を果たすためにやってきたマーロウが、ここで出会うのがリンダ・ローリング。レッノクス夫人の姉で、ウェイド夫人の主治医ローリング医師の妻にあたる。ギムレットを飲みながら、互いの腹…

『終わりの感覚』 ジュリアン・バーンズ

高校時代の歴史の時間、老教授の「歴史とは何だろう」という問いに、主人公トニー・ウェブスターは「歴史とは勝者の嘘の塊です」と答えている。斜に構えて見せたつもりだろうが、紋切り型の使いまわしにすぎず、主人公の凡庸な人となりを現している。老教授…

新編バベルの図書館

かつては作家別の分冊という形式で同出版社から刊行された「バベルの図書館」シリーズを、数人の作家を出身国別にまとめたものである。新編を名乗ると同時に、以前はペイパーバックの体裁であったものが、上質の紙に余白を充分とった角背ハードカバー、函入…