marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

2017-07-19から1日間の記事一覧

『大いなる眠り』註解 第十章(1)

《長身で黒い眼をした掛売りの宝石商は、入口の同じ位置に昨日の午後のように立っていた。中に入ろうとする私に同じように訳知り顔をしてみせた。店は昨日と同じだった。同じランプが角の小さな机の上に点り、同じ黒いスウェードに似たドレスを着た、同じア…