marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

2018-07-24から1日間の記事一覧

『大いなる眠り』註解 第二十八章(3)

《女はさっと身をひるがえし、スタンド脇の椅子に戻って座ると、両掌の上に顔を伏せた。私は勢いよく足を床につけて立ち上がった。ふらついた。足が固まっている。顔の左側面の神経が痙攣していた。一歩踏み出した。まだ歩けた。必要があれば走ることもでき…