marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

トゥインゴGTがやってきた。

 

f:id:abraxasm:20181119152419j:plain

前日納車されたばかりのルノー・トゥインゴGT。はじめは四日市まで取りに来いと言われたのだが、近くの日産まで運んでもらえたので、そこでレクチャーを受けた。ボディカラーはオランジュブレイズ。0.9L、ターボ付き3気筒、リアエンジン・リアドライブ方式という今どき珍しい車である。小さい車がいい。可愛いだけではダメ。カッコよくなくては、という妻がやっと気に入った一台である。猫バスのような外観とダッシュボード周りの渋さが最後の決め手だった。

とびっきりの晴天なので、ちょっとそこまで走りに行こうということに。行き先はパール・ロードの展望台。元は有料道路だったパール・ロードは鳥羽・的矢の間をリアス式海岸特有の入り組んだ海岸線に沿ってうねうねと伸びる観光道路で、展望台にあるレストランからの景観が最高でドライブがてらの食事にはうってつけだ。的矢から鵜方に出て第二伊勢道路で帰るのがいつものコースだが、午後、用事が待っているのでこの日はUターン。

とは言っても、これは妻の愛車。運転するのは妻で、私は助手席。妻が前に乗っていたコペンに比べシート位置が高く、ヘッド・クリアランスも握り拳二つ分はあるので余裕。高速道路から続く(高速道路ではない)道を鳥羽まで快適に走り、安楽島からパール・ロードに至る一車線の道は、土曜日ということで他府県ナンバーの車が多く、のろのろ運転が続く。

ところが、カーブの連続するパール・ロードに入ると、何台も連なっての低速運転に
「私、今日はこの方が安心」と言いだした。わけを聞くと何だかカーブでこけそうな気がして怖いんだとか。たしかに、低重心のコペンと比べると車高が高いので、そんな気がするのかもしれない。「そのうちに慣れると思うよ」と言ったのだったが。

お目当てのレストランは団体の予約が入っていて、少し待たなくてはならなかった。午後の予定があったので、軽食のとれるフード・コートに入った。ネバトロ系好きの妻は「めひびうどん」。自分は「焼きそば」を注文。さっさと食べ終わって、展望台から海を眺めた。海はきれいだったが、対岸は霞んでいて富士山は見えなかった。

帰り道はハンドルを握らせてもらうことになった。ところが、いざハンドルを握ると、慣れた路なのに、たしかに怖い。いつもならブレーキなんか踏まずに曲がるカーブでついブレーキを踏んでいる。
「ほんとに怖いなあ」とつぶやくと
「ね、ほんとでしょう」と、妻。ついつい上体をカーブの内側に曲げてしまう。何だろう、このゴーカートのような感覚は?

路肩に停めて、シートの高さを確かめた。やはり高めに設定してあった。ステアリングを下げたり、シートを上げたりする機能はコペンについていなかった。それでハンドルの位置とシートの高さを合わせるのに、シートの方を上げたのだろう。もともと座面の高い車なのに、それを上げたものだから、アップ・ダウンの続く道で下りカーブになると、フロントガラスの視界が開けているのと相まって、ジェット・コースターに乗っているような感じで怖気が走るのだ。

いちばん下まで下げると、やっと落ち着いた。シートの高さに合わせ、ステアリングをチルトして、再出発。やっと恐怖感から逃れられた。しかし、それでもシートの高さはかなりのものだ。車から降りるとき、身長173センチの私でも、足の裏が地面につかないくらいだ。今まで乗ってきた車が、みな沈み込むようなシートだったからか、この見下ろすような視点になかなか慣れない。

やや小径と思われるステアリングのせいもあって、ハンドルの切れはいい。慣れてきたらカーブの連続する道も、小気味よく運転することもできるだろう。時々は運転を交代してもらって早くこの車に慣れたいものだ。