marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

「帰るう」

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暑くなってきた。夏毛に生え変わる時期だからか、ニコの抜け毛がすごい。毎朝夕櫛で梳いても、もくらもくらと毛がついてくる。我が家に来たばかりのころは、さわられるのが嫌で、よく逃げられたものだが、最近は櫛を入れると、グルグルと喉を鳴らす。

冬から春にかけて、妻のベッドに上がってきていたニコだが、さすがにここのところの暑さで、ベッドに来なくなっていた。ところが、ここ何日かは朝晩、少し寒いくらいで、昨日も今日も、ニコがベッドに上がってきた。

妻は喜んだが、今日はトリミングの日だ。せっかく一緒に寝ようとベッドに上がったニコを泣く泣くキャリーに入れて、トリミングに向かった。ニコに限らず一般に猫は車に乗るのが嫌い。この日も車が動き出すと泣き出した。

あやしていた妻が言った。

「ねえ、この子『帰るう、帰るう』って鳴いてる」

耳をすますと、なるほどそう聞こえないでもない。

鳴き声は可愛いのに、ふだんはめったに鳴かない。泣くのはきまってペット・クリニックに行く日。トリミングはクリニックに併設されているので、ニコには行き先がトリミングなのか、病院なのかは分からない。

昨日、ダイニングの窓に上ろうとして、足を滑らせたばかりだ。肉球の周りの毛がのびてきて前足の踏ん張りがきかないのだ。抜け毛も多いし、シャンプーとカットは嫌いじゃないはず。話しかける妻の声の調子で、病院じゃないことも賢いニコなら分かるように思うが、車に乗ることがパニックで、それどころじゃなくなるらしい。

病院といえば、検査の結果、ストラバイトの方はよくなっているらしい。しばらくは療法食を続けなければならないが、逆にいえば、薬は飲まなくていいということだ。このまま完治してほしいものだ。

トリミングから帰ってきたニコは元気そのもの。現金なもので、同じ車なのに帰りはあまり鳴かない。鳴いても「ニャン」と短い。とすると、往きのあれは、やはり「帰るう、帰るう」だったのだろうか。猫後の翻訳アプリができたらスマホに替えてもいいと真剣に考えているところだ。