marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

オープン・ガーデン

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南伊勢町に無料開放している庭があって、今ササユリが見頃だ、という話を妻が聞きつけてきた。ボランティア仲間との作業に忙しいのは大変だが、こういう情報交換のお土産がある。なんでも、土日月だけの公開で、今日を逃すと来週はもう見られないという。

それでは、というのでお昼は五ケ所の<ファイブ>でとることにして、妻の車に乗って出発した。サニーロードの入り口にはジェットコースター級の急坂があるので、トゥインゴでそこを走ってみたいと前々から思っていた。

晴れ時々曇りの空模様ながら、新緑が眩しく絶好のドライブ日和。ランチを食べた<ファイブ>のマスターに地図までいただいて、目的地に向かう。たぶん同じ場所目当ての車がゆっくりと走っているので、それについてゆくとまもなく到着した。

汐見ガーデンというところで、あと数か所の家が<オープン・ガーデン>として、お庭を無料開放してくれている。今日伺ったI邸はロック・ガーデン仕立て。もとの持ち主が荒れ放題にしていた千坪ほどの土地を購入後、移住し、廃棄物の山を取り除いてここまでにするのに七年かけたそうだ。

藪を切り拓き、岩に沿って掘って行ったところ、岩肌が露出し、池が現れた。もとからあった石垣を生かして今のようなロック・ガーデンに仕立てたという。たくさんの花が植えられているが、ササユリは自生である。この季節はササユリ目当ての客が引きも切らない。

妻のいちばんのお気に入りはオダマキだった。私としては、アカンサスの花を見ることができたのが収穫だった。ギリシア建築の装飾に用いられているので、葉の方はよく知っていたが、花については知らなかった。

小高い丘の上に造られた庭を一巡りすると、木の間隠れに海が見えた。景色の眺めのいいところや木陰にベンチが配され、一息つける場所には事欠かない。これだけの庭を維持するのは大変だが、見せてもらう方はありがたい。

来年は今種から育てているオダマキがたくさん花をつけそうだという。再訪を約束して庭を後にした。車なら我が家から往復一時間ほどの距離である。いいところを教えてもらった。