marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『はまむぎ』レーモン・クノー

『はまむぎ』は奇妙な小説である。書いたのはレーモン・クノー。バスの中で見かけた男についての些細な出来事を書いたメモ風の文章を99種の文体で書き換えて見せるという軽業めいた『文体練習』という作品の作者である。そのクノーの、これが処女作というの…

芭蕉の湯

寒い日だった。布団の中でシャッターが風にあおられて立てる音に耳を澄ましていた。こんな日には温かい温泉に首まで浸かっていたい。これだけ寒くなると、紅葉もきっと見頃だろうと思い、伊賀への道を走ることにした。行き先は芭蕉の湯。ホテルに隣接して建…

『コルヴォーを探して』

『ハドリアヌス七世』というあまり世に知られることのない、しかし才気溢れる小説の著者であるコルヴォー男爵ことフレデリック・ウィリアム・ロルフという作家についての評伝である。 話は一九二五年の夏に始まる。シモンズは文学好きで稀覯書専門の本屋でも…

公孫樹並木

退職して、運動不足が気になりだしたので、夏の間は日没前、秋からは昼食前に一時間ほど、ほぼ毎日決まったコースを歩いている。そうなると定点観測のようなもので、近頃では紅葉の色づき具合が観察対象になっている。 家の前の旧街道は、バス一台がやっとと…

霧生温泉 香楽の湯

霧生温泉という温泉があることは新聞社がくれた全国地図で見て知っていた。調べてみると近郊にあるリゾート地として知られる、メナード青山ホテル内にある温泉施設のようで、少々敷居が高そうに思え、今まで訪れたことはなかった。 ところが、先月はパスした…

ヘッドランプ・ウォッシャー始末

何日たっても、駐車場に落ちた水の流れた跡が消えない。いちばん先頭は水の表面張力で盛り上がって見えている。やはり、これは水漏れだろうと考えた。 先日ウィンドウ・ウォッシャーを動かしたが、液が出ずワイパーだけが空で動いた。気になってボンネットを…