marginalia

読んだ本の話や一緒に暮らす猫のこと、それと趣味ではじめた翻訳の話など。

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

御城番屋敷

松阪市にある御城番屋敷にはいつか行こうと思いながら、なかなか行く機会を見つけられず、ついつい今日まで来た。明日からは、カーポートの工事が始まり、おちおち家も空けていられないので、今日は松阪にある松燈庵という料亭でランチをとることにした。 松…

御城番屋敷

松阪市にある御城番屋敷にはいつか行こうと思いながら、なかなか行く機会を見つけられず、ついつい今日まで来た。明日からは、カーポートの工事が始まり、おちおち家も空けていられないので、今日は松阪にある松燈庵という料亭でランチをとることにした。 松…

『許されざる者』 辻原登

日露戦争前夜の明治三十六年(1903)三月、紀伊半島の南に位置する森宮の港にひとりの男が帰ってくる。男の名前は槇隆光。元森宮藩藩医の四男でアメリカで学位を取得後カナダで診療経験を積み、帰朝後森宮で開業していた。貧しい者からは金を取らず、金持ち…

カーポート

母が亡くなり、住人のいない母屋はさすがに傷みが激しくなっていた。旧街道に面して「鰻の寝床」と揶揄される細長い敷地の表通りに建つ母屋を解体することにした。跡地は駐車場にというのが母の考えであった。ちょうど我が家を建てた住宅メーカーがリフォー…

『父、断章』 辻原登

自伝的な素材を生かした短編をそろえた短編集。作家自身に限りなく近い「私」が登場し、主な舞台は郷里の新宮である。それでは作品が事実に基づいているかといえば、首を傾げねばならない。辻原登は、そんなに簡単に素の自分を語るようなタイプの作家ではな…